新緑ノスタルジア

生きていくのがVERY楽しい

テニミュ初見オタクが #おうちでテニミュ で百聞は一見に如かずを実感した

猫も杓子も○○ミュ、○○ステのこの時代、オタクとして生を受けて久しい私はそういった2.5次元作品を通ってこないで今までを過ごしてきた。しかし今日、流れ流れてとうとうテニミュという未開の地に足を踏み入れてしまったのだ。

 

もともとTwitterのタイムラインで話題が何度か流れてきていたのと、ニコニコの空耳動画もいくつか見たことがあるので、存在は知っていた。

そして、推しである小林豊さんもテニミュへの出演経験があることは知っているので、どういうものなのか知りたいという気持ちもあった。

しかし、私の「なんでも完璧に理解したい」気質が、今の今まで邪魔をしてしまっていたように思える。なんせ17年も歴史のあるコンテンツで、代替わりするキャストの数も膨大だ。その歴史の前に、足がすくんでいた。だから、と言うと言い訳じみてしまうかもしれないが、推しが出ているテニミュも今まで見ることができないままでいた。

 

だが、迷いを捨てて飛び込んでみたら、物凄い景色が広がっていたのだ。

原作の文脈を回収するだけではなく、テニミュにはテニミュの文脈が存在していた。

ミュージカルにおいてたびたび挿入される歌や踊りは、そこにいる登場人物たちの感情の発露である、と私は受け止めている。そこに照明やセットなどの演出も手伝い、原作漫画と少し形は違うが、たしかにそこに「いる」人間の感情として捉えられた気がした。地面を割るような深く揺れる歌声や、跳ねるようなステップはその表れだろう。

私が一番それを感じたのは、後編終盤に幸村のテニスで五感を奪われたリョーマが暗闇の中でひとり、今までの苦しかった経験を思い出しながらも、最後には「テニスは楽しいもの」と気づき、天衣無縫の極みへとうとうたどり着いたシーンだ。

暗転。独唱。スポットライト。そのすべてが苦しい気持ちを増幅させている。画面越しでも鳥肌が立つほどだったから、当日会場で見ていた人には尚更感情が伝わっていたことだろう。

そして、テニスは楽しいものだと思いだした瞬間、パッと舞台全体に光が差すのだ。カタルシスの描写がうますぎる。

漫画的表現と演劇的、ミュージカル的な表現。それぞれが違う意味で美しく素晴らしいものだと気づかされた。

 

また、「キャラクターと演者の二人三脚」から生まれる物語があることも改めて知った。それは、私がアイドルマスターシリーズで知った「声優ライブ」のそれとはまた違ったものであった。

テニミュは数年ごとにキャストが入れ替わり、ストーリーにも明確なエンディングがある。つまり始めから演じられる時間、応援できる時間に限りがあることを皆がわかっているのだ。私はハロプロ筆頭に女性アイドルも応援しているから、応援することに永遠はなく、いつかタイムリミットが来てしまうことは体感していた。

しかし、テニミュはそれ以上にこちらに「タイムリミット」がのしかかってきた気がした。物語上のキャラクターたちが体験する「卒業」を、ついつい演者たちのタイムリミットとも重ねてしまう。キャラクターも、演者も、これから次の道に進んでいくのだ。その未来を想像してしまう。

しかし、あくまで私は初見の人間である。何日も通った人や何年も応援して何度も「卒業」を見送ってきた人に比べたら、感じている気持ちの大きさは比べようがないほどに大きなはずだろう。私はパフォーマンスとビジュアルの精巧さに圧倒されて、せいぜい最終盤の卒業シーンでひしひしと感じるだけだった。

 

ビジュアルの話にもふれておきたい。以前何かのテレビ番組で2.5次元ミュージカルが紹介されていた時に、「キャストを選ぶときに顔立ちだけではなく骨格も見ている」というような旨を聞いたことがあった。そして、幕が上がった瞬間、即座にその通りだと理解した。感覚的なものなのでうまく説明できないが、みんな「まんま」なのだ。メイクや髪型で合わせにいっているだけではこんな感覚になることはなかっただろう。

 

私は今日、恐れずに新しいものに飛び込む勇気を覚え、「百聞は一見に如かず」を実感した。オタクを続けていると、多分これからもこうした機会に遭遇するだろう。だから、今日テニミュに足を踏み入れたことを、こうして記録して覚えておきたいと思う。

また、テニミュはおろか2.5次元そのものがさっぱりわからなかった私がテニミュを少しだけでも理解し、面白いものだと感じられたのは、先に今いる自ジャンルや推しに出会えていたからだろう。改めて、オタクをするのにはタイミングが大事だと思い、今までの自ジャンルと推しに敬意を表したくなった。

 

 

ほな、推しが出てるテニミュ、買わせていただきます、、、、、、

(小林さんが演じる観月はじめさん、妖艶マシマシですね)

 

 この機会が与えられたことに感謝します、ありがとう!